哀しみ。

矢郷さんのはてなダイアリーのカウンターが、もんの凄く回ってるから、どうしたんだろうとおもっていたら・・・あのことについて取り上げていたからなんですね。*1


もう、知っている人も沢山いるだろうから。
どういうことが起こったのかについては、ここに書きません。
これは、単なる私の感想です。




プロレス業界自体が、大変なのは分かってる。
特に女子プロレス界は。
団体に所属する選手は減り、フリー選手は増え。
GAEA JAPANは解散した。全日本女子プロレスも解散した。

金銭面で、余裕がないことくらい、誰もがみんな分かってる。


でもね。















ちょっと前の話になるけれど、前村早紀さんが写真集を出したことがあったじゃないですか。
あれが出た時期。
そのことを考えて、なんだかとっても切なくなったのを鮮明に覚えています。


生きていくためには、お金が必要で。
プロレスをするためにも、お金が必要で。


そんなことなんて、分かってるんです。
でも。
それだけじゃ生きていけないのも事実でしょう?
職業に貴賎がないのも分かってます。本人が決めたことなんだったら、ほっといてやれ、って意見があるのも分かります。
でも。
だからって、なにをしてもいい、ってわけでもないでしょう?



前村さんのことと、今回のことは、選手の立場も、やってることも、全く違うから、同列において語ること自体は間違ってるんだけど。
でも、私は、このふたつの出来事に際して、全く同じ印象をもちました。




「また、女の子のあこがれが、ひとつこわされたのかな」って。










プロレスファンになって、もう数年。
見ている選手の大多数は男性で。周りにいるファンの大多数も男性で。
肩身の狭い思いを感じたことも、少なくなかった。
プロレスは男の人のもの、っていう印象は、今ではかなり薄らいだけれど、やはり消えない。*2
やっぱり、プロレスって、女の子が愛好するもんじゃないのかな、って思う。
女子は特に。
男の人が、可愛い女の子を好む気持ちも、もちろん理解できる。女の子がかっこいい女の子に黄色い声援を送っても、もちろんいいんだけど。
でもね、女子レスラーさんのヘアヌードやらVシネマやらがあるたび、なんとなく、感じてたんだ。
プロレスは、男の人のものなんだろうな、って。



プロレスファンがレスラーになった、っていう例は多いと思う。
特にK-DOJOとか、プロレス学校系の団体には多い気がする。
そういう事例はこれからも続くだろうし、そういう事例がある限り、「プロレスラーは夢を与える職業」っていう側面は否定できないと思う。




首と膝がボロボロでレスラーとしてやっていける状態じゃなかった。でも、リングにあがりたかった。
その気持ちをとやかくいうつもりはない。
でも、どうしてあんな手段でリングに上がったの?


私自身には、レスラーになりたいというあこがれは全くないけれど。
でも、少なくともレスラーは「夢を与える商売」であるはずでしょう?




現役の女子レスラーがAVデビューという現実を見せられて。
その上で、レスラーにあこがれを持てる女の子が、いったいどれくらいいるんだろう。
レスラーになりたい、って思う女の子が、どれくらいいるんだろう。
そして、その夢を応援してあげよう、って思ってあげられる家族が、どれくらいいるんだろう。




東城えみさん。
あなたに直接お会いしたこともないし、試合を観戦したこともないけれど。
でも、首の骨折から復帰したとき、「本当の女子プロレスラーになりたいんです!」ってアストレスを辞めたとき、浜田文子さんのところで一からやり直しとき、それを見て私は、素直にあなたを応援したいと思った。
女子プロレスラーとして、頑張ってほしいと思った。
どんな事情があったかなんてことは知らない。
でも、「夢を与える商売」に携わっていた人が、どうしてそれを根底から破壊するようなことをするの?





私は。もはや、ただ、漠然と哀しいだけです。

*1:問題の記事はこちら:http://d.hatena.ne.jp/noritora/20050806

*2:週刊誌買いに本屋さんに行った時、週プロとかゴングとかが置いてある棚の並びにギョッとしちゃった時とか。あぽたん見たさにレディゴン買う時とか。